犬の専門用語事典
パスツレラ症(ぱすつれらしょう)

パスツレラ・マルトシーダと言う細菌の感染による人畜共通感染症で、動物では敗血症や肺炎、人では咬傷による皮膚炎が主な症状である。パスツレラ菌は犬や猫の口腔内や爪(指間部)に常在する菌で、通常犬や猫は無症状である。 犬の口腔内に75%、猫の口腔内では100%、爪に20%保菌している。 犬や猫にとって口腔中のパスツレラ菌は正常細菌叢として有益な働きをしているものと考えられる。人の腸内の大腸菌のように、侵入する病原菌を防ぐ働きをしている可能性が高い。
本症の人への感染は犬や猫からの咬傷や掻傷による。
パスツレラ菌は人体内に入り、局所の発赤、腫れ、疼痛を起こす。
傷が深い場合には腱鞘炎や骨髄炎を引き起こす。パスツレラ菌が骨にまで達した症例では手術によって骨を削る治療を行う必要がある。
また、 気道感染することもあり、気管支炎や肋膜炎、肺炎などを起こす事もある。
傷口が化膿する例は少なく発熱もほとんどない。
パスツレラ菌は傷口からだけでなく、口移しで犬や猫に餌を与えるなどの行為によっても容易に感染する。
糖尿病や肝障害などをもち、抵抗力が低下している人にとっては致命的となる。

参考ページ:
ペットのイエローページ・ペット飼育百科/パスツレラ症

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