耳疥癬症はヒゼンダニ科に属する耳疥癬虫（ミミヒゼンダニ）が耳管内に寄生して起こる皮膚疾患である。
耳疥癬症は犬、猫にすこぶる高い比率で発症する病気で、ミミヒゼンダニが耳管内表皮に寄生して組織液を吸い、落屑上皮や耳垢を食す結果、激しい痒みが起こる。

症状：
激しい痒みを生じるため、感染動物は頭を振り、耳を掻く。
一般に両耳に感染が見られ、耳脂腺分泌物の増加によって悪臭を放つ茶褐色の耳垢が積もる。
重症例では炎症が内耳にまで達し、斜頚や旋回運動のような前庭障害の症状を現す事もある。耳管内への通風効率の悪い垂れ耳犬種（コッカー・スパニエル等）ではその病態が重くなり、耳血腫を生じるケースもある。

感染経路：
体の接触時に体表に出た虫体によって感染する。
感染した動物が使っている犬舎や敷物、首輪、ブラシ類を介しても感染する。

参考ページ：
犬の専門用語事典/皮膚病
犬の専門用語事典/寄生性皮膚疾患