胴長、短足、垂れ下がった大きな耳がユーモラスな雰囲気を与えるフランスを原産とする中型犬である。
フランスの修道院の僧がブラッド・ハウンドを含む複数の犬種をもとに、背が低く歩行速度の遅い犬種を作出したのが当犬種の始まりだとされている。
古くから貴族的な犬として知られており、特にフランス、ベルギーなどヨーロッパの国々で王族の庇護を受け、数世紀に渡り繁栄を続けて来た。
バセット・ハウンドは短い肢や密生した被毛に守られ、茂みの中でも自由に動く事ができ山野の猟に適している。
嗅覚が発達しており、嗅跡の追跡能力ではブラッド・ハウンドに次ぐと言われる。
頭部が大きく短足であるため、鼻は地面近くに保持される事になり結果的に嗅覚が向上する。
長く垂れた耳は、風の強い時や湿度の高い時に地面の臭いを嗅ぐのに有効に働くと言われている。
嗅跡へのこだわりがきわめて強く、猟の現場では追跡を中止させる事が困難なほどである。
バセット・ハウンドは獲物をゆっくりと確実に追跡する事を任務としてきた。
追跡の際の吠え声は特徴的で、遠くからでも識別できる低音で、犬種名は低音(バス)に由来すると言う説もある。
猟犬としての性能は高くアライグマ、キツネ、ウサギなど小獣の他、鳥猟にも役立つ。
性格が穏やかなため、単独でも集団でも狩りができる。
忍耐強く献身的で、神経質なところは無く、臆病でも無い。
実猟には胴が扁平、脚が長めのタイプが用いられる。
ヨーロッパでは実猟犬として健在であるが、アメリカや日本では家庭犬として人気がある。
愛玩犬としては体重が重く、体高が低く、胴長のものが好まれる。
知能水準が高く、主人に忠実でトレーニングが容易であるがやや頑固である。
吠え声は大型犬なみに大きく、楽器のコントラバスに例えられる。
動きは活発ではないが決して不器用ではない。
被毛の手入れは比較的楽で「飼い易さ」では上位に挙げられる犬種である。
眼は深い位置にあり、瞬膜が認められる。
運動不足の環境下で飼育すると肥満しやすい傾向がある。
温和でひょうきんな表情が好まれ、コミックや広告に利用される事の多い犬種で、靴のマークとしてのバセットは世界中に知れ渡っている。
原産国 | フランス |
分類 | ハウンド(AKC) ハウンド(KC) 第6グループ(JKC) |
体高 | ♂35.6cm以下 ♀35.6cm以下 |
体重 | ♂23kg ♀23kg |