スピノーネ・イタリアーノ

スピノーネ・イタリアーノの原産国はイタリアで、その起源は非常に古い。
ヨーロッパの国々には、古くからその国の風土地形や狩猟動物にあわせて作出された獣猟犬がいた。
スピノーネ・イタリアーノもその1つで、別名イタリア・ポインターとして知られ、イタリア北西部のピエドゥモンテ州付近が発祥の地とされている。

スピノーネ・イタリアーノはイタリアン・セッターをはじめとするイタリアの獣猟犬とフレンチ・グリフォンを交配して作出した犬種と考えられる。
獲物を探索しハンターに獲物の所在を知らせる作業と、射撃により落ちた獲物を回収する運搬作業の両方を担う事ができる万能犬で、獣猟犬の気質を濃厚に受け継ぐ犬種である。
どのような地形でも役務をこなす作業犬としてイタリアの銃猟用犬の中で最も高く評価されてきた。
特に沼地や起伏の多い森林地帯でよく働くと言われ、ヨーロッパ大陸の他の狩猟犬であるポインターやリトリバー種と比べても、スピノーネ・イタリアーノ の能力は群を抜く。
一色、もしくは茶色やオレンジ色の斑点をもつ被毛は厚く、ややワイヤーで、他犬種では耐え難い冷水や下ばえの中でも活動が可能である。

狩猟様式の変化とともに、銃猟用犬は衰退の一途をたどり、スピノーネ・イタリアーノもほとんど繁殖される事がなくなっていた。
1950年代に入り、この犬種の復活を目指す活動がおこり、組織的な交配が行 われた。 アメリカでは1980年代の後半にスピノーネ・イタリアーノのクラブが設立され、2000年になってAKCの146番目の公認犬種となった。

野外では勤勉な使役犬として、家庭では忍耐強い伴侶犬として、スピノーネ・ イタリアーノはイギリスでの人気が高い。
訓練は容易で、警察犬、警備犬としても優れた能力を発揮する事ができる。
恐れを知らず、不屈で知的、忍耐強く、情愛の深い性質で飼い主には忠実であるが、見知らぬ人には警戒心を示す。

原産国イタリア
分類スポーティング(AKC) 
ガンドッグ(KC)
体高♂58.4~68.6cm
♀55.9~63.5cm
体重