ワーキング グループ

使役犬とは狩猟以外の各種作業に従事する犬をさす。
必然的に、このグループに属する犬は忠実で頑健な体躯を有するものが多い。

犬はその能力ゆえに、世界中の公安機関により警察犬として利用されている。犯行現場に残された微細な遺留臭を嗅ぎ、逃走犯人の足取りを追跡する捜査をはじめ、パトロール、守備、物品の保護、防衛、攻撃と、多くの任務を献身的にこなしている。警察犬には嗅覚力の優れた大型の犬種が適しており、我が国ではもっぱらジャーマン・シェパード犬が使用されているが、ボクサーエアデール・テリアドーベルマンロット・ワイラーなどが起用されている国もある。

盲導犬は文字通り盲人の目の役割を果たす極めて次元の高い目的のために訓練される犬である。盲人は盲導犬により自立性を取りもどし社会への参加が可能となる。牧羊犬の血を受け継ぐ、性格の安定した雌犬が盲導犬に向き、高度な訓練を終えて盲人と共に生活をする。盲導犬は1900年にドイツで考えられ、第一次大戦中のフランスとドイツで本格的に訓練された。盲導犬には服従性、勇気、粘り強さ、知力、精神的な安定が要求され主にジャーマン・シェパードラブラドール・リトリバーゴールデン・リトリバーが使用される。

ヨーロッパの山岳地帯で道に迷った旅行者の救護にはセントバーナードなどの大型犬が利用されていた。雪崩や地すべりで雪に埋もれた人間を救出する活動もした。スイスとイタリア国境のサン・ベルナール修道院で飼育されたバリー(セントバーナード)は40人の人命を救った事で有名。 バリーは41人目の遭難者に熊と間違えられて射殺され、現在ベルンの博物館にはく製保存されている。

海難救助ではニューファウンドランド犬の活躍が知られている。ニューファウンドランド犬は指の間が水かき状になっており、きわめて水泳が巧みな犬種である。昨今でも大型タンカーの甲板上で乗組員の転落事故に備え飼育される例が見られる。フランスの画家ランドシーアによって、黒と白のニューファウンドランド犬の海難救助の光景が描かれており、以後この毛色のニューファウンドランド犬がランドシーアと呼ばれるようになった。

北極地帯のエスキモーたちの生活はそり犬が無くては成り立たない。吹雪の中で進路を見失う事なく、危険を予知する能力も持つ。南極や北極探検でも用いられ、輝かしい業績を上げている。四肢が強靭な大型の犬種、サモエドアラスカンマラミュートシベリアンハスキーなどが適している。

ワーキンググループの犬種
アラスカン・マラミュート
クーバース
グレーター・スイス・マウンテンドッグ
グレート・デン
グレート・ピレニーズ
コモンドール
サモエド
シベリアン・ハスキー
ジャイアント・シュナウザー
ジャーマン・ピンシャー
スタンダード・シュナウザー
セント・バーナード
チベタン・マスティフ
ドーベルマン・ピンシャー
ニューファンドランド
バーニーズ・マウンテンドッグ
ブラック・ロシアン・テリア
ブル・マスティフ
ボクサー
ポーチュギーズ・ウォーター・ドッグ
マスティフ
ロットワイラー
レオンベルガー