中国南部の広東省で漢の時代から何世紀にも渡り飼育されて来た記録がある。
チャイニーズ・シャー・ペイ又は単にシャー・ペイと呼ばれる。
シャー・ペイは中国語で「垂れ下がった皮膚」の意。
シャー・ペイの起源については明確な根拠は無いが、体形からチベタン・マス ティフが祖先と考えられている。
シャー・ペイの舌の色がブルーであるためチャウチャウと近縁であるとする説も説得力がある。
中国では家畜の見張りや番犬として又、食肉用としても飼育されていた。
シャー・ペイの中国に於けるスタンダードは直接的な表現でシャー・ペイの風貌をよく現している。
耳は貝殻状、鼻は蝶の羽根形、頭はメロン、顔は老人、首は水牛、臀は馬、肢は龍。
シャー・ペイの皮膚の皺は幼犬時は全身に及ぶが、成長とともにキ甲と首以上の頭部に限られるようになる。
幼犬時には皮膚を清潔に保つために皺の部分をタオルで定期的に手入れする必要がある。
共産主義国家としての中華人民共和国樹立後、中国本土では犬の飼育が禁止され、絶滅の危機にさらされた時期があり、少数のシャー・ペイが香港や台湾に持ち出された。
かつて香港では闘犬が盛んで、シャー・ペイはチャイニーズ・ファイテング・ドッグとも呼ばれていた。
少なくとも相当の期間シャー・ペイの血統は香港のブリーダーによって維持されていた。
この間、シャー・ペイは香港からイギリスに輸出され、ドッグショーで紹介された事があるが、イギリスで飼育者が増えるまでには至らなかった。
1973年、香港のブリーダーがアメリカの愛犬家に「シャー・ペイの救済」を呼びかけた事により、アメリカで関心が高まり、香港から数頭のシャー・ペイがアメリカに渡った。
この時の移入犬が現在のアメリカに於けるシャー・ペイの基礎犬となっており、1991年にAKCが公認している。
シャー・ペイはアメリカを経由して世界に紹介され、近年その独特の風貌に人気が集まっている。
「世界で最も珍しい犬」として紹介されたこともある。
香港からアメリカに渡った当時のシャー・ペイは眼のトラブルが多く、繰り返し眼科の手術をするのが普通であった。
他犬種に比べ、皮膚のトラブルが多いので、定期的な皺の部分の手入れも欠かせない。
シャー・ペイはチャウチャウと同様、繁殖系統によっては攻撃的な性格を持つケースがあるので、子犬選びは慎重に行う必要がある。
シャー・ペイの被毛の長さについては制限があり、キ甲部で1インチを超えてはならないとされている。
背が低く、活動的な体形で愛情深く、冷静沈着である。
一見悲しそうな顔に見えるが性格は明るい。
原産国 | 中国 |
分類 | ノン・スポーティング(AKC) ユーティリティ(KC) 第2グループ(JKC) |
体高 | ♂41~51cm ♀41~51cm |
体重 | ♂18~23kg ♀18~23kg |