カーリー・コーテッド・リトリバーは、黒又はレバー色の縮れた巻き毛が特徴のイギリスを原産とする鳥猟犬である。
この犬種の祖先は定かではないが、16世紀のイングリッシュ・ウォーター・スパニエルやセッターの系統であり、後年セント・ジョーンズ・ニューファウンドランド、アイリッシュ・ウォーター・スパニエル、ラブラドール・リトリバ ー、さらに19世紀後期のプードルを配したものと考えられている。
特にアイリッシュ・ウォーター・スパニエルとは被毛の色や質が酷似している。
カーリー・コーテッド・リトリバーは、回収犬として類別された犬種の中で最も古い犬種の一つであり、優しく獲物をくわえる口を持つ事や、水の中での作業能力によって賞賛された。
カーリー・コーテッド・リトリバーは、イギリスの鳥猟界に不可欠の犬種となり、生来の狩猟能力、勇気と不屈の忍耐が評価され脚光をあびた。
正しく作出され、訓練をされた場合、この犬種は極寒の海や密生した茂みの中で仕事がある限り働き続ける。
水鳥の回収犬、高地の狩猟犬としての二つの能力を要求されたカーリー・コーテッド・リトリバーは、壮健、迅速で、機敏でなければならない。
態度やふるまいには、リトリバー種としてもまれな優美さと優雅さを合わせもっている 。
頭脳明晰で高等訓練に耐え、狩猟場同様に家庭でも忠実な仲間として迎えられて行った。
カーリー・コーテッド・リトリバーが最初に出陳されたのは、1860年イギリスのバーミンガムショーである。
1889年にはカーリー・コーテッド・リトリバーがニュージーランドに輸出された。
ニュージーランドでは、カモとウズラの回収に長く使われ、イギリス原産の万能犬として面目を果たした。
同年オーストラリアにも紹介され、マレイ川流域の湿地帯や沼地でカモの回収に使われるようになった。
最初のクラブは1896年にイギリスで設立された。
1907年にアメリカに渡り、AKCには1924年に登録されている。
愛玩犬、狩猟犬、ショードッグのいずれの目的で飼育される場合であっても、カーリー・コーテッド・リトリバーの特質である巻き毛は重視される。
被毛は耐水性で、ぎっしりと密生し、小さな固まりの巻き毛となっていなければならない。
かつて、この犬種の縮れ毛は薮の中の作業では時として不利であったとも伝わっている。
自立的で高い知性を持つ犬種、特にリトリバー種は見知らぬ人に対してよそよそしさを見せる事がある。
原産国 | イギリス |
分類 | スポーティング(AKC) ガンドッグ(KC) 第8グループ(JKC) |
体高 | ♂63.5~68.6cm ♀58.4~63.5cm |
体重 |