ノーフォーク・テリアは穴に逃げ込んだ狐や穴熊、鼠の捕殺に最適なテリアとして古くから飼育されてきた。
ノーフォーク・テリアはテリア種の中でも特に小さく、体高が低い。
コンパクトな体型でありながら狩猟の素質と冷静な気質を備え、穴に潜むどう猛な獲物を怯む事なく追跡する農場の万能犬として信頼を得てきた。
大型テリアに遜色のない体力と、どんな天候にも耐え得る被毛をもち、原野の「小悪魔」とも形容される。
ノーフォーク・テリアとノーリッチ・テリアが同じ祖先をもつ事は外貌によって容易に分かる。
実際ノーフォーク・テリアとノーリッチ・テリアは長い間、明確に区別はされていなかった。
グレン・オブ・イマールテリア、赤毛のケアーン・テリア、ダンディ・ディンモント・テリアなどイギリス東部で飼育されていた小型の赤毛テリア種を交配させて誕生したのがノーリッチ・テリアである。
1932年にイギリスのKCがノーリッチ・テリアを公認したものの、毛色や耳の形、サイズなどの統一はされず、「垂れ耳」のノーリッチ・テリアが存在していた。
第二次世界大戦後には垂れ耳と直立耳のノーリッチ・テリア同士の交配はほとんど行われなくなり、1965年になって、KCはノーフォーク・テリアとノーリッチ・テリアを別の犬種として区別した経緯がある。
ノーリッチ・テリアの耳は直立であるのに対し、ノーフォーク・テリアの耳は先端で前方に垂れなければならないと規定された。
1914年には狩猟家により赤毛のテリア種がアメリカに紹介され、耳の形態について論議されていたが、1979年AKCは正式にノーフォーク・テリアを別犬種と認めた。
これ以降アメリカでもノーフォーク・テリアとノーリッチ・テリアは別々の改良が行われる事になる。
ノーフォーク・テリアは断尾が絶対条件ではないが、断尾をしない場合でも尾の根元は厚みがあり、先端に向かって先細りになっている必要がある。
被毛の定期的な手入れは必要であるが、トリミングをすることは禁止されている。
近年は狐狩りの特技を見せる機会は少なくなり、郊外ではなく都市部で飼育されるノーフォーク・テリアが多くなっている。
しかし、ノーフォーク・テリアは愛玩犬ではなく狩猟犬である。
狩猟によってできた傷跡はテリアの勲章として扱われる。
表情豊かで社交的、愛嬌があり、恐れを知らず勇敢、主人に忠実だが用心深さを併せもつ。
原産国 | イギリス |
分類 | テリア(AKC) テリア(KC) 第3グループ(JKC) |
体高 | ♂22.9~25.4cm ♀22.9~25.4cm |
体重 | ♂5~5.4kg ♀5~5.4kg |