グリフォンとは硬毛の犬種の俗称で、ブリュッセル・グリフォンはベルギーのグリフォンの中で最も代表的な犬種である。
ベルギー在来の地犬とドイツのアッフェン・ピンシャーとの混血から誕生したと言われるが、始祖となったベルギーの地犬についての詳細な情報はない。
15世紀以前からベルギーでは農場や家畜小屋でネズミを捕る小型犬が活躍していたようである。
ブリュッセル・グリフォンはヨーロッパのさまざまな地域の犬との混血の結果生まれた特異な風貌をした個性の強い犬種である。
早い時期にヨークシャー・テリアの血が入り、格段にネズミ捕りの能力が向上したと言われている。
後年イギリスのトイ・スパニエルとの交配により、さらに小型化されたが、これによってテリアの気質が失われ、ネズミを捕らなくなったと伝わっている事も興味深い。
その後、隣国オランダで人気のあったパグと交配され、短吻で上向きの顔をも つ陽気な仕種の小型犬になった。
ブリュッセル・グリフォンの特異な個性は、その気質を含めてヨーロッパの各犬種の特質に由来しており、近年になってヨーロッパ合作の犬「ユーロ犬」と揶揄される事がある。
ブリュッセルでは辻馬車の御者達が好んでこの犬を飼育し、昼間は馬車に乗せ、夜は馬小屋において馬や馬具の番をさせたと伝わっている。
19世紀の後半にはブリュッセル・グリフォンがベルギー王室で飼育された事により急速に人気が高まった。 1880年代にイギリスに紹介されて人気を博した。
英名はグリフォン・ブリュッセルである。
ブリュッセル・グリフォンは被毛のタイプによってラフとスムースに分けられる。
ラフは針金状の長毛をもち、風貌はアッフェン・ピンシャーに似ている。
スムースはパグの影響を強く受けた変種で、ブラパンコと呼ばれる事がある。
一胎子であっても被毛のタイプが異なって生まれる事がある。
被毛のタイプによって性格にも差異が見られ、短毛種では独善的で協調性に欠ける個体がある。
ブリュッセル・グリフォンは小型であるが、いわゆる抱き犬ではない。
自然状態では垂れ耳であるが、断耳をして立ち耳にする習慣もある。
尾は断尾される。
「人間のような顔つき」をしており、自尊心が強く、気まぐれで自己主張の強い犬として知られる。
原産国 | ベルギー |
分類 | トイ(AKC) トイ(KC) 第9グループ(JKC) |
体高 | |
体重 | ♂3.65~4.54kg ♀3.65~4.54kg |