16世紀に銃器が発明された事によって鳥猟の方法は一変した。
犬が獲物を捜索し、ハンターの命令によって獲物を飛び立たせ、銃で仕留める方法が一般化する。
スポーティング・ドッグは、獲物を探索しハンターに獲物の所在を知らせるストップ犬と射撃により落ちた獲物を回収する運搬犬に分けられる。
ストップ犬として有能な犬種はポインター、セッターである。
これらの犬種は獲物を発見した時、なき声ではなく態度で知らせるように改良されている。
獲物の存在を主人に教え、獲物がハンターの銃の射程距離内に入るまで鳥を引き止めておくのである。
鳥が隠れる余地を残し、飛び立つ事をあきらめさせる方法で、鳥側から見れば「飛ぶよりもじっとしている方が安全である」と言う状況を作り出す。 銃による鳥猟では獲物が人間では回収が困難な場所に落ちる事が少なくない。 射撃により落ちた獲物の回収(リトリーブ)はリトリバー犬種の仕事である。プードル、ポーチュギーズ・ウォータードックに始まり、ラブラドール・リトリバー、ゴールデン・リトリバー、カーリーコーティッド・リトリバー、フラットコーティッド・リトリバーなどが登場する。
湖や沼に泳ぎ入って獲物を口にくわえ運んで来るウォータードックは鳥猟に欠く事のできないものである。
世界初のドッグショーはイギリスで1859年に開催されたが、このショーの出陳犬はポインターとセッターの鳥猟2犬種のみであった。 猟をする者だけが鳥を食べた訳ではなく、当然売るために鳥を捕る猟師も多くなった。 狩猟民族にとって猟犬の性能の改良は仕事の能率をあげるために必須であり、このグループの犬種向上はめざましいものであった。 スポーティング・ドッグ(銃猟用犬)はイギリスではガン・ドッグと呼ばれる。