ポーリッシュ・ローランド・シープドッグ

ポーリッシュ・ローランド・シープドッグは別名を「ポルスキー・オフチャレク・ニジニー」と言うが「ポン」という愛称で呼ばれることが多い。
ポーリッシュ・ローランド・シープドッグは原産国のポーランドではポピュラーな犬種だが正確な誕生の由来は解明されていない。
16世紀のポーランドやドイツ北東地域にはポーリッシュ・ローランド・シープドッグに似た犬が既に存在していた。
ポーリッシュ・ローランド・シープドッグは、チベタン・マスティフチベタン・スパニエルラサ・アプソチベタン・テリアなどと同様に中央アジアで進化したものと考えらる。
絹や香辛料の貿易を生業とするチベット人やフン族がアジア、東ヨーロッパを横断する際に連れていたプーリーと推定される牧羊犬と、特殊用途の使役を担う土着犬とが交配されて誕生したのがポーリッシュ・ローランド・シープドッグであるとする説が有力である。

ポーリッシュ・ローランド・シープドッグは、ポーランドでは農民の番犬、牧洋犬として活躍した。 普段は穏やかだが、羊を襲う害獣には勇敢に立ち向かう事で知られる。
第二次世界大戦中には爆弾が落ちてくることを事前に察知し、数百名の人命を救ったと言う逸話がある。

外観から推察できるとおり、ポーリッシュ・ローランド・シープドッグは、ベアデッド・コリーの作出に大きく貢献している。
16世紀の始め、スコットランドの羊を仕入れるために出航したポーランドの貿易船に、羊を誘導するために6頭のポーリッシュ・ローランド・ シープドッグが乗っていた。
このポーリッシュ・ローランド・シープドッグの作業能力に感銘したスコットランドの羊飼いが、羊と引き換えに雌2頭、雄1頭のポーリッシュ・ローランド・シープドッグを手に入れた。
この3頭のポーリッシュ・ローランド・シープドッグがベアデッド・コリーの始祖犬になったと伝わっている。
ポーリッシュ・ローランド・シープドッグとベアデッド・コリーとの相違点はポーリッシュ・ローランド・シープドッグは生まれつき尾がないことである。

二度の世界大戦を経てポーリッシュ・ローランド・シープドッグは激減し、絶滅の危機を迎える。
戦後設立されたケネルクラブが、農場で飼育が続けられていたポーリッシュ・ローランド・シープドッグを探し出し、選択的繁殖を繰り返して復活させ、質の向上に努めた。
1965年にはチェコスロバキアのドッグショーに出陳され、1980年代にはイギリスのドッグショーにも出陳されるようになった。
1959年に最初の犬種標準が作成され、AKCには147番目の犬種として公認された。
近年ポーリッシュ・ローランド・シープドッグは牧羊犬というよりもペットとしての人気が高い。

原産国ポーランド
分類ハーディング(AKC)
パストラル(KC)
第1グループ(JKC)
体高♂ 45.7~50.8cm
♀ 43.2~48.3cm
体重