ハウンド グループ

テリア種を除いた獣猟犬をハウンドと呼ぶ。
人間が犬の価値を見い出したのは、犬の狩猟能力によるものと思われる。 人間と猟犬の関係は、他の動物界では見る事のできない利益関係にあるといえる。

フランスやイギリスの社交界では古来、鹿やキツネ狩りが大流行し、狩猟には一定の儀式や服装、マナーが要求されるまでになった。ハウンドによる獣猟は、猟犬が獲物を捜し出してハンターに射撃させる方法と、馬に乗ったハンターが多くの猟犬を引き連れて猟野をめぐり、犬に獲物を捕獲させる方法がある。

ハウンドは嗅覚ハウンド視覚ハウンドに分けられる。嗅覚ハウンドセント・ハウンド)に属する猟犬はビーグルブラッド・ハウンドダックスフント、フォックス・ハウンド、エルク・ハウンドなどで、嗅覚がよく発達し、地面に低く鼻をつけて臭跡をたどるタイプである。 主として鹿狩りに使われたブラッド・ハウンドは、傷ついた鹿が遠ざかるのを別の獲物に気を取られる事なく血の臭いを頼りにどこまでも追跡する能力を持っている。視覚ハウンドサイト・ハウンド)に属する猟犬はアフガン・ハウンドボルゾイグレー・ハウンドサルーキー、ウルフ・ハウンドなど長肢の大型犬種で、獲物を視力により発見し高速で追走して捕らえるタイプである。

日本原産犬種の多くは獣猟犬で、分類上はハウンド(嗅覚ハウンド)に属すものであるが、日本原産犬グループを設けて分離している団体もある。 ハウンド・グループの犬種の内、グレー・ハウンドウィペットはドッグレースで使用するために改良されて来た。 スタート位置の、犬を入れた箱の扉を一斉に開け、ウサギの肉片(臭い)を付けた模型を機械的に動かして追跡させる形でレースが行われる。観客は犬券を買い、競馬同様に賭けて楽しむ。ドッグレースには短距離走に適した瞬発的な速さが要求される。競走距離は約500mで、時速にして約60kmのスピードで競われる。ドッグレースは我が国では、許認可の関係で実現していない。

ハウンドグループの犬種
アイリッシュ・ウルフハウンド
アフガン・ハウンド
イビザン・ハウンド
ウィペット
オッター・ハウンド
グレー・ハウンド
サルーキ
スコティッシュ・ディアハウンド
ダックスフンド
ノルウェジアン・エルクハウンド
バセンジー
バセット・ハウンド
ハリア
ビーグル
ファラオ・ハウンド
プチ・バセット・グリフォン・バンデーン
ブラック・アンド・タン・クーンハウンド
ブラッド・ハウンド
ボルゾイ
ローデシアン・リッジバック