チェサピーク・ベイ・リトリバーはアメリカを原産とする鳥猟犬である。
この犬種の由来は、1807年アメリカ東海岸メリーランド沖で難破したイギリスの貨物船から救出された2頭のニューファンドランドの子犬であるという話が定説となっている。
救出された2頭は、くすんだ赤色の雄がセーラー、黒の牝がカントンと名付けられ、難破船の救助にあたった人達に飼育される事になった。
カントンとは救助に当たった船の名前である。
成長した2頭は、当地の人達を驚かせる優れた水鳥の回収能力を見せ、数々の犬種との交配が行なわれる事になる。
その後約2世紀の間に、水中作業を得意とするイングリッシュ・オッターハウンド、フラット・コーテッド・リトリバー、カーリー・コーテッド・リトリバ ーなどが関与して固定されたのがチェサピーク・ベイ・リトリバーだと言われ ている。
チェサピーク・ベイ・リトリバーの被毛は最高の耐水性をもっており、凍った海や吹雪きと言った、悪天候下でも狩猟が可能である。
頚、肩、背中、腰にかけての被毛は厚く短かく、ウェーブして密生する。
顔と肢の被毛は大変短かい直毛で、この部分の巻き毛は好ましくない。
皮脂に覆われたオーバーコートと柔軟なアンダーコートは、水鳥の羽毛と同様の原理で冷たい水から身を守る。
被毛の密度が高いため、身震いをするだけで、わずかに湿った感が残る程度に体を乾かす事ができる。
チェサピーク・ベイ・リトリバーは、陸上でも水中でも同等の力を発揮するが、荒れた極寒の水中に於いて際立って優れた能力を示す。
極限に近い天候不良のチェサピーク湾での作業に適合するよう、氷を壊しながら水鳥を回収するよう改良されて行った。
1日に100から200羽の鴨を回収する事が可能と言われている。
現在では鴨を回収するためにチェサピーク・ベイ・リトリバーを飼育する人は少ないが、狩猟能力を競う競技会ではあらゆる部門で賞を獲得する犬種である。
利口で、知性的で、判断力があり、情愛深い性質である。
雄々しく疲れを知らぬ活力、力強い筋肉、自立的な雰囲気をただよわせるチェサピーク・ベイ・リトリバーは、活動的な家族に向く犬種である。
原産国 | アメリカ |
分類 | スポーティング(AKC) ガンドッグ(KC) 第8グループ(JKC) |
体高 | ♂58.4~66.0cm ♀53.3~61.0cm |
体重 | ♂29.5~36.3kg ♀24.9~31.8kg |