ディズニーの映画「わんわん物語」のヒロインとして有名になり、我が国でも一時的にブームとなったが、被毛の管理や運動量の問題があってか以降の人気は低迷ぎみである。
スパニエル種はスペインの地犬を始祖としており(スペイン産の犬種をすべてスパニエルと呼んだ時期もあった)イギリスで鳥猟犬に用いられた歴史は古い。
この後、スパニエルはそれぞれの猟性能により、別々の犬種に固定されて行く。
コッカースパニエルはスパニエル犬種の中では小型で、特にコッカー(ウッドコック・山鴫)の猟を得意としていた。
コッカースパニエルは狩猟に際し、主人の進む方向一帯を機敏に走り回り獲物を見つけ出す。
獲物を飛び立たせ、一定の距離を置いて静止し射撃を待つ。
主人の命令により、落ちた獲物を回収する。
水辺では鳥は本能的に水上に飛び立つ事が多く、コッカーは水中での回収も得意とした。
イギリスのスパニエルは1620年メイフラワー号によってアメリカに渡り、さらに小型に改良され、攻撃性の低いスパニエルの特性によって、実猟犬としてよりもむしろ愛玩犬として人気を博す事となった。
猟性能の高さや主人に対する忠誠心はそのまま愛玩犬、家庭犬としても有益である。
気立ての良さと、扱い易いサイズによって、家庭犬として急速に人気を得、世界中に広まることになった。
アメリカン・コッカースパニエルがウエストミンスター展で連続BISに選ばれた10年後の1950年には全米登録数で第1位となっている。
ヨーロッパからアメリカに渡った個体のタイプに特徴があった事、さらに他のスパニエルの血液が入った事により、現在のアメリカン・コッカースパニエルは イングリッシュ・コッカースパニエルと多くの点で異なっている。
アメリカン・コッカースパニエルはイングリッシュ・コッカースパニエルに比べ、口吻が短く、頭蓋はドーム状で彫が深い。
背は短く直状で、後肢の角度が深い。
被毛はイングリッシュ・コッカースパニエルよりも長く毛量が多い。
毛色はイングリッシュ・コッカースパニエルでは白の単色以外のすべてが認められているが、アメリカン・コッカースパニエルでは一色毛の場合は完全な一色でなければならず、飾り毛の淡い色は好ましくない。
二色以上の毛色の場合はその内一色は白でなければならない。
背線に上下動のないアメリカン・コッカースパニエル独特の快活な歩様と尾振りが魅力的な犬種である。
実際この犬種を評価する時、歩様はきわめて重要である。
家庭犬として普及して来たとは言え、猟犬種としての資質がキラリと光るのも当犬種の特徴である。
原産国 | アメリカ |
分類 | スポーティング(AKC) ガンドッグ(KC) 第8グループ(JKC) |
体高 | ♂36.8~39.4cm ♀34.3~36.8cm |
体重 | ♂10~12kg ♀10~12kg |